『エトロフCHRONICLE』のシナリオとシステム
 一心不乱プレゼンツ・ライブRPG「エトロフCHRONICLE」(以下、本ライブRPG)のソフトウェア――イベントテキスト、ルールシステム、当日運営体制――を公開します。当日追いきれなかったシナリオ内容の確認や、独自にライブRPGを企画する際の参考にしてください。
(なお、以下の文章は、本ライブRPGに参加しているか、参加者向け情報を一通り読んでいることを想定しています。そうでない方は、『「エトロフCHRONICLE」とは?』をまずお読みください)


「エトロフCHRONICLE」とは?
イベントテキスト
ルールシステム
当日運営体制
スタッフ一覧



◆イベントテキスト

 一部のイベントはオフィシャルシナリオからアイデアを得ているため、「トーキョーN◎VA クロニクル」収録程度のものではありますが、ネタバレの可能性があります。また、本ライブRPG用に、オフィシャル設定に独自の解釈を加えているイベントもあります。

都市名 孤児名 兵器名
執筆者
トーキョーN◎VA
有馬ケイ
万能電脳鍵「アメノウズメ」
(はた)×弐
オーサカM○●N
香山ミユキ
絶滅級生物兵器「ペイルホース」
氏家浩靖
カムイST☆R
“鷹”
“ヘヴンズ・コール”
古河切夏
ホンコンHEAVEN
黄小龍
超弩級戦略地上空母「龍生九子」
(はた)×弐
北米ニューフォート
八島大地
完全ステルス型原潜「クラーケン」
からい
キャンベラAXYZ
月乃カゲリ
無人群体戦闘機「フレースヴェルグ」
からい
聖母領
アメリア
巨大軌道兵器「グランド×クロス」
tatuya

ミトラスE△EN


からい
エトロフ


からい

 通常7都市のイベントは、メインイベント(M1〜M6)/エトロフ孤児イベント(A1〜A3)/兵器開発イベント(B1〜B3)の3種類に分類されます。
 本ライブRPGの背景には、「戦災で世界各地に離散した孤児たちが、10年の歳月を経て各国の兵器を携え『ディアスポラ』を結成、エトロフを占領して自分たちの国を作るべくテロを起こす」というストーリーの流れがあります。しかし、参加者の基本的な立場が「選挙活動を行なう何でも屋」なので、イベントの中核を占めるメインイベントのほとんどは、背景ストーリーや他イベントとかかわりのない、各都市固有の独立したイベントです(シナリオ執筆者の遊び程度につながりがあるものもあります)。
 これに対し、重要NPCであるエトロフ孤児との交流を描くエトロフ孤児イベントと、エトロフ孤児戦争で使われる兵器の開発を描く兵器開発イベントの2種類はフラグイベントと呼ばれ、背景ストーリーを構成するイベントです。時間を追って内容が進展するため、前イベントをクリアしてなくても全体像を推測できるよう、7都市全てで統一フォーマットを用いて書かれています。フラグイベントのストーリーは、エトロフにて結末を迎えます。
 イベントは、各ピリオドに挑戦できるイベントのうちから、まだチームが得点していないものがランダムに選ばれます。第1ピリオドではM1〜M4、A1、B1の6個が、第2ピリオドではM1〜M5、A2、B2の7個が、第3ピリオドではM1〜M6、A3、B3の8個が挑戦できるイベントとなります。ミトラスとエトロフは、全てのイベントからまだ得点していないものを選択できます。



◆ルールシステム

 一般的なルールは、ルールサマリーを確認してください。ここでは、一般公開されていなかったルールやシステムについて公開します。

▼ゲーム時間について
 本ライブRPGの実ゲーム時間(参加者がイベントをこなす時間)は140分で、休憩と作戦会議をはさんで、3つのピリオドに区分されます。第1ピリオドと第2ピリオドが40分、第3ピリオドが60分です。詳細なタイムテーブルについては運営体制の項目を確認してください。


▼ゲームの勝敗について
 ルールサマリーにあるように、各都市ごとに得点の多いほうの勢力がその都市の票を獲得し、7都市各1票+エトロフ2票の計9票中5票を制した勢力が勝利します。途中経過や各都市での得点差は、最終的な勝敗に一切考慮されません。また、エトロフは他の都市の2倍の価値がありますが、勝利の必須条件ではありません。


▼チームについて
 参加者は3人一組のチームを最小単位として行動します。言い換えれば、参加者の総数は(スタッフである勢力リーダーを含めて)6の倍数でなければなりません。2人チームが発生した場合は、3人目がいるものとして扱い、一部の特殊判定では2人の平均値を3人目のものとして扱う、という処理をしていました。
 チーム能力値は、参加者の選んだスタイルを元に、トーキョーN◎VAの能力値算出式をそのまま用いてます。応募の段階で戦略について悩んで欲しくなかったのであえて公表していませんでしたが、N◎VAに詳しい参加者の方は気付いていたようです。
 個人参加者のチーム割は、チーム内でスタイルが重複しないようにした以外は、ランダムに決定しています。所属勢力についても特に希望などは取っていません。チーム内で申込が一番早かった参加者をチームリーダーとしていますが、特に何らかの権限があるわけではなく、「チームシートを管理する人」程度の位置づけです。


▼判定と得点について

 通常判定のイベントは、判定目標値がそのままイベントクリア時に獲得する得点となります。達成値が目標値を超えていた場合でも、得られる得点はあくまで目標値です(エトロフの判定は通常判定ではありません)。目標値は、いわゆる「25環境(最大達成値が25)」を基準に一次設定し、そこから+3〜+5の修正をほどこしています。
 特殊判定の獲得点数は、「本文読み上げを含めた通常判定1回にかかる時間=約2分」を目安に、おもにかかる時間を考慮して通常判定より高目に設定されてます。また、特殊判定は、エトロフとミトラスを除き、失敗した場合でも得点が入るようになっています。基本的に複数回行なう性質のものではないからです。


▼アイテムカードについて

 各都市を訪れると、アイテムカードを1枚もらえます。ミトラスを除く各都市で手に入るアイテムは達成値+2/達成値+3/手札を引きなおす/スートを変更するの4種類があります。また、ミトラスでは獲得できるアイテムカードの枚数は対戦する賞金首の強さに応じて増加し、手に入るアイテムは達成値+4/達成値+5(ただしスタイル制限があり、あっていない場合は達成値+1)の2種類があります。


▼作戦会議について
 各ピリオド開始前には、作戦会議の時間がとられます。参加者は現在の得点状況について説明を受け、勢力内でアイテムや情報の交換、次ピリオドでとるべき戦略について話し合う機会を得ます。ただし、作戦会議での決定事項には一切の拘束力はありません。参加者の行動を決める最小単位は、あくまでチームです。
 作戦会議の場所は重要です。ピリオド開始時に移動できる都市までの距離に関わるからです。十分な距離が取れなかった本ライブRPGでは、ピリオドごとに会議の場所を入れ替えるという方法で対応していました。


▼フラグイベントについて
 フラグイベントをクリアするとフラグチェックがもらえます。また、本プレイ時には達成チームはありませんでしたが、隠し要素として、ミトラスE△ENの賞金首を全て撃破すると、フラグチェックが4つもらえました。
 フラグチェックは、エトロフイベントへの挑戦に必要です。チームはフラグチェック5つごとに1回、エトロフのイベントに挑戦する権利を得ます。ただし、5つのフラグチェックのうち最低一つは第3ピリオドのものでなければなりません。これは第3ピリオド開始時にチームをエトロフに集中させないための処置で、本プレイ時は5列8行のチェック欄(最後の1列は第2ピリオドまではチェックせず次の行に進む)で管理してました。


▼ミトラス→エトロフ
 ミトラスE△ENは第2ピリオドで終了し、第2ピリオド終了後、「エトロフが『ディアスポラ』を名乗る武装集団に占領された」という寸劇をはさみ、第3ピリオドからエトロフが登場します。場所はミトラスE△ENの場所を使用し、拠点RLは引き続きミトラスのRLがつとめます。第3ピリオド以降、ミトラスでしか手に入らなかったアイテムは、他都市にも分配されます。
 エトロフのイベントは各都市のフラグイベントに対応し、チームは挑戦するイベントを選択することができます。全てのイベントが達成値=ポイントとなる特殊判定です。エトロフに関するルールは、テキストにして第3ピリオド前の作戦会議時に配布しました。



◆運営体制

▼タイムテーブル
 本ライブRPGは、以下のタイムテーブルで運営されました。このうち、エトロフ占領イベントは発生するまで秘密のサプライズイベントであるため、参加者に告知されたタイムスケジュールでは、第3ピリオド前の作戦会議が25分となっていました。

12:00 開場
12:15 受付開始
12:45 開会式(30分)
13:15 作戦会議(15分)
13:30 第1ピリオド(40分)
14:10 休憩(10分)
14:20 作戦会議(10分)
14:30 第2ピリオド(40分)
15:10 休憩(10分)
15:20 エトロフ占領イベント(10分)
15:30 作戦会議(15分)
15:45 第3ピリオド(60分)
16:45 休憩(10分)
16:55 閉会式(20分)
17:15 ライブRPG終了
18:00

会場終了時間

 各ピリオド終了5分前にはラインカットが行なわれ、新たに列に並ぶことができなくなります。また、その時点で、挑戦できるイベントから、会場外へ出るイベントが除外されます。


▼スタッフ
 ライブRPGの当日運営にあたったスタッフは全部で29名です。

総統括(1名)
 本ライブRPGの対外的な顔役にして、企画全体を管理運営します。ゲーム中は特に定まった仕事はありませんが、不測の事態に際してはあらゆる仕事を受け持てる必要があります。
作戦参謀(2名)
 両勢力リーダー付の参謀という位置づけで、ルールの問い合わせ等に対応します。作戦会議中は各都市のポイント状況を参加者に報告し、ルール的なアドバイスを行ないます。
勢力リーダー(2名)
 両勢力の顔役です。ゲーム中の動きは一般参加者と同じ(第1チームのリーダー)ですが、「ネタバレ」部分、特にエトロフの存在をある程度知っています。そのため、リーダーといっても、実質的には指揮/作戦立案などには関わりません。舞台演出、作戦会議中の司会進行、勢力内の士気高揚などがおもな仕事となります。
拠点RL(17名)
 各都市を運営します。イベントを読み上げ通常判定を管理するメインRLと、特殊判定及び得点を管理するサブRLの二人セットで配置されます(特殊判定の多い北米ニューフォートのみサブRLが二人配置されてました)。メインRLとサブRLは、自都市の装飾について予算と権限を持ちます。また、不測の事態に際しては互いの仕事を兼任します。
連絡スタッフ(7名)
 上記以外の仕事(特に各都市から遠くに離れる仕事)及び自都市を離れられない拠点RLに代わってのスタッフ間の連絡等を行ないます。今回は最終的な応募者が57名(勢力リーダー含めても59名)だったため、一人が参加者に回りました。不測の事態に際してはRL、サブRLの代行をつとめます。


 当日運営スタッフは、イベント企画スタッフ及びテストプレイ時の参加者より任命しているため、全員が本ライブRPGの全体像を把握しています。また、当日参加できなかったスタッフに、シナリオ執筆者(1名、残りは当日運営に参加)、名札デザイナー(1名)、スタッフTシャツデザイナー(1名)等がおり、企画全体は合計32名のスタッフで運営していました。






◆スペシャルサンクス

「この企画はとても一人でできるものではありませんでした、積極的に運営側に参加して、楽しませる側に回ってくださった沢山のかたに助けていただくことで、はじめて実現しました。ここに一緒にライブRPG「エトロフクロニクル」を作り上げてくださった方々の名前を挙げると共に、皆様に感謝させていただきたいと思います。本当にありがとうございました。」

ライブRPG総統括  NATRON

スタッフ一覧(順不同、敬称略)

 勢力リーダー
修行さん(孤児イラスト執筆)、ZOHN

 勢力参謀
からい(シナリオ執筆)、(はた)×弐(シナリオ執筆)

 拠点RL
闇司(RL班統括)、toveta(RL班副統括)、なげやり人偏、hide、須川、星読むおん(拠点ロゴ製作)、PS、ねこもり、帽子屋、つねひら、凪汐海梨、sigane 、tatuya(シナリオ執筆)、古河切夏(シナリオ執筆)、chihaya、IB(孤児イラスト執筆)、天色在人(WEB管理)

 連絡班
SYS(連絡班統括)、哉桜ゆえ(連絡班副統括)、転々(BGM)、J、瀬戸際、yagami 、Amisty

 当日運営外部スタッフ
詩(Tシャツデザイン)、あっきぃ(名札製作)、氏家浩靖(シナリオ執筆)





 以上が一心不乱プレゼンツ・ライブRPG「エトロフCHRONICLE」のシナリオとシステムです。もし、これを読んで、「自分たちもライブRPGを企画しました」という方がおられましたら、是非ともご連絡ください。スタッフ一同、遊びにうかがいます! 

文責:Amisty

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